飲食店での「解雇」「退職」のうち64.5%がコロナの影響。雇用の厳しい現状を調査

飲食店での「解雇」「退職」のうち64.5%がコロナの影響。雇用の厳しい現状を調査
飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」を運営する株式会社シンクロ・フードは、飲食店.COM会員を対象に、コロナ禍の雇用状況や人材管理についてアンケート調査を実施いたしました。

 

<本調査について>
■調査概要

調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:503名
調査期間:2021年3月23日~2021年3月25日
調査方法:インターネット調査

■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち67%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は55.1%(首都圏の飲食店の割合は71.6%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。<調査結果について>

■飲食店における従業員の解雇や退職、64.5%がコロナの影響によるもの
コロナ禍における外食自粛の動きや、度重なる営業時短要請は、飲食店の経営に大きな影響を与え続けています。休業や閉店に追い込まれる飲食店も多い中、雇用の維持は依然厳しい状況です。そこで今回は、現在の雇用状況や人材管理について調査するため、アンケートを実施いたしました。はじめに、2021年2月の経営状況について、コロナによる影響を受ける前の2019年同月と比較してもらったところ、26%が「2019年2月より70%以上減った」と回答。次いで、「50%減った(14.5%)」、「30%減った(13.9%)」という結果になりました。

次に、2020年10月以降、従業員(正社員・アルバイト)の雇用に変化があったかを尋ねたところ、「正社員もアルバイトも変わらない」との回答が最も多く、52.5%という結果に。次いで、「正社員は変わらないが、アルバイトは減った(25.8%)」、「正社員もアルバイトも減った(18.5%)」となりました。変化が見られた店舗においては、正社員よりもアルバイトの方が減少していることがわかります。

また、「従業員(正社員もしくはアルバイト)が減った」と回答した人に、減少の理由を聞いてみたところ、最多は「従業員の都合(コロナの影響)による退職者が出たため」で、33.5%という結果に。続く「店舗側の都合(コロナの影響)により解雇したため(31%)」と合わせると、64.5%はコロナの影響によるものであることがわかりました。

 

■重視する採用基準は、SNSに強い・少ないシフトでも働ける・衛生管理力がある等
続いて、現在募集している雇用形態、またこれから採用したい雇用形態について尋ねたところ、40.6%が「正社員・アルバイトどちらも不要」と回答。続いて「アルバイトのみ採用したい(31%)」、「正社員・アルバイトどちらも採用したい(22.9%)」となりました。現状、正社員よりアルバイトの方が需要は高い様子ながら、約4割の店舗では、今以上の雇用を必要としていないことがわかりました。

次に、コロナ禍において、特に重視する人材採用基準について聞いてみたところ、以下のような回答が寄せられました。

<回答抜粋>
即戦力となる資格保有者や経験者
・簿記資格保有者または経理業務経験者(東京都/カフェ/1店舗)

・デリバリーに対応できる運転免許保持者、調理経験者(千葉県/和食/2店舗)

・調理経験者、PCの基本スキル保有(千葉県/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)

PCやSNSの知識がある
・販促活動につながるパソコン、SNSなどの知識はこの状況下で普段よりも必要になっていると感じる(神奈川県/イタリア料理/2店舗)

・調理経験者とSNSの発信スキルがある人(神奈川県/カフェ/1店舗)

少ない勤務日数や時間でも働ける
・勤務時間の変更に柔軟に対応出来る人(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・今はそこまで稼働日が無い為、少ない日数でも働いて頂けるスタッフが採用基準になります(大阪府/その他/1店舗)

様々なポジションを任せられる
・フルサービス経験者(東京都/イタリア料理/1店舗)

・シフトをタイトにせざるを得ないため、キッチン、ホール、両方できる人材が貴重である(福岡県/和食/1店舗)

衛生管理がきちんとできる
・食品衛生知識が常識的に備わっている(宮城県/その他/1店舗)

・コロナ禍の今アルコール消毒など手間がかかりますが理解されて取り組める方が必要です(東京都/イタリア料理/1店舗)

また、今後、特に活用しようと考えている採用手段については、「アルバイト求人媒体」との回答が最多で47.5%。次いで「正社員求人媒体(23.9%)」、「その他(20.3%)」、「自社採用ページ(17.1%)」、「ハローワーク(13.5%)」と続きました。

「その他」の自由回答には、「今後の募集予定はない」という声が多く寄せられた一方、「SNSで募集する」、「メルマガで募集する」、「チラシや店頭ポスターで募集する」、「自分の足で探す」といった、なるべくコストをかけずに取り組むという声も。また、「信頼できる友人や常連客に紹介してもらう」といった、リファラル採用の発想に近い手段を検討する声も聞かれました。

そうした採用手段を選ぶ際、最も決め手となる基準について尋ねると、42.7%が「費用の安さ」と回答しました。さらに「候補となる人材の質(27.8%)」、「出会える人材の数(17.7%)」という結果に。良い人材を求める一方で、採用までの過程においては、できるだけ費用をかけたくないという思いも垣間見えました。

 

■努力はするも、3~4割の飲食店が「給与やシフトの希望を満たせていない」と苦心
そのうえで、実際に採用した人材を定着させるために、どのような努力を行っているか伺ったところ、「怒らない」、「上から目線で指導しない」といった声のほか、「しっかりコミュニケーションをとる」、「待遇を充実させる」などの回答が寄せられました。

<回答抜粋>
頻繁なコミュニケーションと、定期的な面談の実施
・社員、アルバイト共に、なぜあなたが必要なのか(=存在価値)を感じてもらえる組織づくりとコミュニケーションを行う。こうした努力の必要性は、どの人材に対しても根底にある(神奈川県/カフェ/3~5店舗)

・採用後は他の従業員との相性を確認し、トラブルが起きそうな場合も話を聞くなどして、とりなすようにしている。定期的に対話をする(東京都/アジア料理/1店舗)

・定期面談(埼玉県/和食/3~5店舗)

・現場研修とは別に、本部スタッフとのミーティング。ミーティングと言っても、仕事の悩みやプライベート的な何でも内容を問わず、雑談の機会を設けている。月1~2回(岐阜県/お弁当・惣菜・デリ/6~10店舗)

話を聞く、相談にのる
・要望があれば、できる限り寄り添って相談にのる(東京都/ラーメン/1店舗)

・話をよく聞く(埼玉県/和食/1店舗)

・本人に対するフォローや、相談しやすい環境を作る(東京都/その他/6~10店舗)

安定した給与と相当の報酬、働きやすい環境づくり
・給与待遇面はもちろんのことですが、福利厚生等をしっかりして、働きやすいインフラの構築に尽力しています(東京都/バー/1店舗)

・労基法を遵守した勤務体系を整える、繁忙時間の目標達成にインセンティブを支給する等(東京都/ラーメン/2店舗)

シフトの希望を極力取り入れる
・休み、希望勤務時間の要望を叶える(京都府/カフェ/3~5店舗)

・本人の働きたい労働日数と時間をできるだけ優遇する。無理な働かせ方をしない(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

研修の充実
・徹底したトレーニング期間と個人面談(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

・研修制度の拡充、OJT指導の充実(東京都/その他/11~30店舗)

やりがいを与える
・しっかり裁量をあたえて、やりがいのある職場とする。コロナ禍で売上が上がらなくても焦ったり自信をなくしたりしないように、上司がフォローする(東京都/洋食/3~5店舗)

・まだ募集はしていないが実際に採用したら、ある程度の責任がある仕事を覚えてもらい、やりがいを持たせたい(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

誠実さを欠かさない
・誠実に対応する。グレイな部分を作らない(東京都/和食/3~5店舗)

・採用前の面接で話をしたこと、約束したことを守る(東京都/アジア料理/1店舗)

また、コロナ禍において思うような営業が難しい中、従業員のモチベーションを維持することは、ひとつの大きな課題となります。そこで、従業員のモチベーション維持のために工夫、実施していることを聞いたところ、やはり「コミュニケーションを重視する」といった声とともに、雇用の定着をはかる際と共通する回答が多く寄せられました。

<回答抜粋>
努力に見合った報酬を与える
・成果報酬制度の導入(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

・時給アップなどで評価をすること(東京都/専門料理/1店舗)

・きちんと賞与をあげられるようにしています(東京都/ラーメン/1店舗)

・売上に対してのインセンティブを上乗せしています(東京都/バー/3~5店舗)

課題を与える
・成長に向けた課題を与え取り組ませる(東京都/イタリア料理/1店舗)

・新しい課題に挑戦させている。その結果、成果が上がれば昇給などを考えている(埼玉県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)

具体的な目標をもたせる
・数字(売上など)に日々触れさせること。経営状況をある程度共有する(大阪府/バー/1店舗)

・売上等の目標を明確にする(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

シフトや給与を減らさない
・雇用調整助成金を使い、早上がりしても給与を出している(東京都/鉄板焼き・お好み焼/1店舗)

・シフトを削らない。給与が下がらないようにしている(神奈川県/カフェ/1店舗)

・給料の減額はしない(京都府/和食/2店舗)

暇を作らない
・コロナ禍において、従来の業務は減少してるが、一方でコロナ禍特有の業務を増やしている。例えば通販事業をはじめ、その梱包・発送作業など、暇でやることがない、状態を回避している(神奈川県/カフェ/3~5店舗)

・利益より、スタッフの生活を守ることを前提にしている。掃除や普段しない仕事を増やし、給料がなるべく減らないようにする(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

上司がモチベーションを保つ
・上の人間がモチベーションを失わないこと(東京都/アジア料理/1店舗)

・経営陣か常に明るく人生を楽しむ事を心掛けてます(東京都/イタリア料理/1店舗)

お客様からの感謝を伝える
・顧客コメントのフィードバック(東京都/フランス料理/1店舗)

・お客様からの「ありがとう」を多く聞いてもらう(広島県/カフェ/6~10店舗)

次に、これまでに申請、または申請協力を行った雇用関連支援金について尋ねたところ、最も多かったのは、「『雇用調整助成金(特例措置)』を申請」で、46.3%でした。次いで、「雇用関連支援金の申請や申請協力を行ったことはない(42.7%)」、「『緊急雇用安定助成金』を申請(22.1%)」、「従業員による『新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金』の申請に協力(20.5%)」と続きました。この結果から、約4割は、雇用関連の支援金を利用していないことが明確となりました。

※大企業を主な対象とした「緊急事態宣言等対応特例」の申請状況(12.7%)については、本アンケートに協力いただいた飲食店の7割以上が、個人店などの小規模経営者であることも考慮する必要があります。

最後に、現在のコロナ禍において、雇用や従業員に関する悩みを伺ったところ、最も多かった回答は、「従業員の希望に沿ったシフトを組めない(40.8%)」というもの。次点はこれに関連した「従業員の希望額を満たす給与を出せない(32.8%)」という回答でした。その一方で、23.3%が「人材が不足している」と回答しており、コロナ禍における雇用維持の厳しさと、採用基準との兼ね合いの難しさが浮き彫りとなりました。

「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」

 

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