退職代行を使われたら拒否できる?対処法と絶対ダメな対応とは

退職代行を使われたら拒否できる?対処法と絶対ダメな対応とは

「社員に退職代行サービスを使われた場合、拒否できるのか?」と気になっている人事担当者は多いのではないだろうか。
本記事では、退職代行サービスを使われた場合に退職を拒否することはできるのか、退職手続きの中でトラブルを避けるための対処法はどのようなものがあるか、退職代行サービスを使われた際に絶対にしてはいけない対応は何か、などについて解説していく。

人事担当者であれば、「退職代行サービス」について一度は聞いたことがあるという人も多いはずだ。ただ、実際に対応するとなると、どのような注意点や確認事項があるのか、どのような対応がトラブルの引き金となってしまうのか、までを理解している人は少ないだろう。

今回は、これまで使われたことはないものの退職代行サービスから連絡があった際の参考にしたい人、今まさに退職代行サービスを使われて対応に追われている人が知っておくべき対処法や知識を網羅しているため、対応のヒントとしてぜひ参考にしてほしい。

そもそも退職代行サービスとは何か、どんな流れで進むのかを知りたい人はこちらも参照いただきたい。
♦初めて会社を辞める人におすすめ!退職代行サービスご利用ガイド 

 

【結論】退職代行サービスを使われた場合でも、基本的に退職を拒否できない

退職代行サービスを使われたかどうかに関わらず、社員から退職意思を伝えられた場合、会社は原則拒否することはできない。
会社が拒否できない理由としては、労働者には民法第627条で退職の自由が定められており、正社員のような期間の定めのない雇用の場合、退職を希望する人は自由に退職できる権利を持っているためである。
ただし、契約社員のように期間の定めがある雇用の場合には、解約の申し入れはやむを得ない理由があるときに限られている。また、やむを得ない理由と判断するかどうかはその時の事例によって異なる。

改めて上記を踏まえて整理すると、一部例外はあるものの、退職代行サービスを使われた場合でも原則会社側が退職を拒否することはできない。また、仮に退職を拒否できる場合であっても、退職意思が固まっている社員の申し出を拒否してなんとか引き止めたとして、その後社内でのモチベーションが高まる可能性は低いだろう。
退職代行サービスを使われたということは、退職にまつわる会社とのやりとりさえ相手から拒否されているということと同義であるため、引き止める意味は薄いといえる。

これ以降は、退職代行サービスを使われた場合にトラブルやリスクを避けるための対処法について解説していく。

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退職代行サービスを使われたらここを確認!トラブルを避ける対処法3つ!

退職代行サービスを使われたらここを確認!トラブルを避ける対処法3つ!退職代行サービスを使われた時に、会社側が確認すべき内容について退職代行サービス業者を通じ確認しないまま対応をしていると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性がある。
例えば、本人確認を行わずに手続きを進めていたところ、該当の社員は退職の希望などなく、他の社員からの嫌がらせで退職代行サービスを使われただけだった、というケースがある。このようなケースは、これから解説する対処法に沿って担当者が事前に確認をすることで、未然に防ぐことが可能なトラブルである。

ここからは、上記で挙げたようなトラブルを避けるための対処法として、退職代行サービスを使われた場合に会社側の担当者が確認すべき点を紹介していく。
人事担当者など、今後のために退職代行サービスを使われた際の対処法を知っておきたいという人はぜひ参考にしてほしい。

 

対処法① 退職代行サービスの依頼者の確認

上記で触れたように、「他の社員からの嫌がらせで退職代行サービスを使われて、ある社員が退職に追い込まれた」というトラブルにならないよう、まずは退職代行サービスの依頼人が社員本人と一致しているかどうかを確認する必要がある。
本人からの依頼であれば、依頼にあたり本人確認書類などが必要な場合も多いため、退職代行サービス業者に伝えることで情報を得られるはずだ。
この対処法①の工程を飛ばしてしまうと、その後トラブルになってしまう可能性も拭いきれないため、万が一にもそういったことにならないよう確認は必須である。

 

対処法② 退職代行サービス業者の運営元の確認

次に確認したいのは、連絡があった「退職代行サービス業者の運営元がどこになっているか」である。
運営元が弁護士や労働組合になっている場合は有給消化などに関しても交渉する権利を持っているが、一般の民間業者の場合は交渉の権利をもっていないため、万が一民間の退職代行サービス業者が交渉をしてきた場合、会社側は拒否することができる。
ただ、退職代行サービスを使われた時点で社員は会社と直接やりとりすることを拒否している可能性が高いため、退職代行サービスを介して手続きを進める方がスムーズに退職まで進めることができるだろう。

 

対処法③ 雇用規定の確認

冒頭で解説したように、退職代行サービスを使われたかどうかに関わらず、会社側が社員の退職を拒否することは原則不可能である。ただ、期間の定めがある雇用の場合は例外扱いになる場合もあるため、対処法の①②と併せて雇用規定を確認することが大切である。
期間の定めがある雇用であっても例外的に退職を拒否することができないケースの一例としては、「ハラスメント行為を受けた」などが挙げられる。

 

対処法④ 退職届の提出と貸与品返却の依頼

会社規定の退職届や退職者から返却が必要な貸与品がある場合には、退職代行サービスを使われたとしても退職代行業者を介して依頼することができる。

対処法①で「退職代行サービスの依頼者の確認」という点に触れているが、退職届を受領した際にも、その点は確認が必要である。退職届の送付を依頼して実際に受け取った際には、本人確認をしておくと安心である。

 

以上が退職代行サービスを使われた際の対処法であり、これらを踏まえた上で退職代行サービス業者を介してやりとりを進めることで、円滑に手続きを進めることができる。
特に対処法①の依頼者の確認は、初歩的な部分でありながら見落としがちな点でもあるため、対応時には注意が必要である。

退職代行サービスを使われた際の会社側の対応をもっと詳しく知りたい人はこちら
♦退職代行から連絡がきたらどうする?後悔しない企業側の対応マニュアル

トラブル回避の実績が多数で、優良な退職代行サービス選ぶためには下記も参照いただきたい。

 

絶対にしてはいけない行為とその理由!会社にとってリスクになる対応とは

絶対にしてはいけない行為とその理由!会社にとってリスクになる対応とは上記では、退職代行サービスを使われたときの対処法について紹介してきた。
ただ、実際に退職代行サービスから初めて連絡が来た場合、突然のことに驚く担当者は多いだろう。昨日まで通常通り出勤していた社員が、第三者である退職代行サービスを介して退職意思を伝えてくるという状況を考えれば当然とも思える。ただ、退職代行サービスに対して感情的な対応や嫌がらせと感じさせてしまう言動などを繰り返すと会社にとってリスクになる場合もある。

ここでは、実際に退職代行サービスから連絡を受けた際に絶対にやってはいけない行為について解説していく。あまりに目に余る言動が見られると、退職代行サービス側から何らかの対応がなされたり、会社の評判に関わったりする可能性もあるため、人事担当者には特に参考にしていただきたい。

まず、退職代行サービスから社員の退職について連絡があった場合、「非弁行為だ、退職は絶対に認めない」「直接会って話をしない限り退職させない」「懲戒解雇扱いにするぞ」など、退職代行サービス業者と退職者に圧力をかけるのは絶対にNG行為である。

その理由としては、下記の3つが挙げられる。

 

①ブラック企業として口コミサイトに投稿される可能性がある

仮に暴言を吐いたり、直接会うまで退職を認めないなどの発言をしたとしても、退職者が退職届を提出した場合、基本的に会社側が拒否することはできない。また、強引な引き止めを行った場合には、退職者によっては会社の口コミをSNSなどで発信されてしまい、ブラック企業というレッテルを貼られてしまう可能性もある。
結局は退職者を引き止めることができないことに加えて会社の評価も下げてしまう行為であり、会社側にメリットがないためこのような強硬な拒否対応は控えるべきである。

 

②退職者と全く連絡が取れなくなる可能性がある

退職代行サービスを利用するには料金の支払いが必要だ。退職者がそこまでして退職代行サービスを利用したのには理由があり、ほとんどの場合は会社とできる限り接点を持ちたくない、ということが理由だ。それを「本人からの申し出ではない」「本人から直接言ってこなければ受け入れない」など、会社側が退職を拒否した場合であっても、退職代行サービス業者からすれば退職者の退職意思を伝えるという目的は果たしたことになる。

退職者本人は会社側との連絡を絶つために退職代行サービスを利用したのだから、会社側が退職代行サービス業者との連絡を絶ってしまうと企業側は不明点などを確認する方法を失ってしまい、退職手続きが止まってしまうことにもなりかねない。
手続きだけでなく、貸与物の回収もできなくなる可能性があるため、セキュリティ上で重要な物品を貸与している場合は企業としてのリスクが高まってしまう。つまり、退職の拒否や圧力をかけるなどしたことで不利益を被るのは会社側なのだ。

 

③引き止めても退職者が会社を辞めるのは変わらない

退職代行サービスを使われたかどうかに関わらず、退職意思が固まっている社員を引き止めても、会社の利益になる可能性は低い。勤務する意欲が減退した状態では改めて退職の話になることがほとんどだ。そのため強固な姿勢を貫いたとしても時間を浪費してしまうだけで、会社を辞めたいという意思が変わることは無いのだ。最悪の場合、退職者が退職を認めないと労働基準監督署へ相談したことで、労働基準監督署から指導を受けるリスクに発展する可能性もあることを把握しておかなければならない。

以上の3つの理由を踏まえると、退職代行サービスから連絡が来た場合には無理やり拒否しようとするのではなく、スムーズな退職に向けて退職手続きを進めた方がよいといえる。

まとめ、退職代行を使われた場合も退職は拒否できない!対処法を踏まえた対応と社内改善を

本記事では、退職代行サービスを使われた際に退職を拒否してはいけない理由やトラブルを避けるための対処法、会社側のリスクになるやってはいけない対応について解説した。

退職代行サービスから連絡があった場合には、対処法として紹介した点を確認の上で手続きを行うことはもちろん、会社としてトラブルやリスクになるような対応は避け、退職代行サービスを使われたことの意味を考えるというのがベストだろう。
職場環境に問題がなかったかどうか、社内制度が適切かどうかなど、今勤めている社員に今後も永く勤務してもらえるよう、一度会社全体を見直すタイミングとして活用することをおすすめしたい。

 

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