会社員の方であれば社会保険、自営業やフリーターの方であれば国民健康保険という言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。
会社員の方は、毎月の給与明細で社会保険ということばを目にすることが多いだろう。
退職代行サービスを利用して会社を辞める際にも関わってくる内容であり、実は日本国民全員が必ず何かしらの保険に加入しなければならないのだ。これを国民皆保険制度（こくみんかいほけんせいど）という。
今回は日本国民にとっても重要な健康保険について説明していく。
会社を辞める、転職をする際に必要となる手続きの方法も併せて紹介していくので、参考にしてほしい。
また、退職代行サービスを利用して退職する際にも健康保険は確認しておかなければならない項目だ。
健康保険について理解を深めるきっかけになれば幸いである。
社会保険のメリット・デメリット
会社員の多くが加入している社会保険だが、社会保険は5つの保険をまとめて指す言葉ということを知っているだろうか。
社会保険には、
・年金保険（国民年金、厚生年金、共済年金など、公的年金を指す）
・医療保険
・介護保険
・労災保険
・雇用保険
の5つの保険がまとめられている。
社会保険のメリットは、保険料を会社と折半して支払うため、自己負担が少ないという点があげられる。
また、扶養の人数が増えたとしても、国民健康保険に比べて保険料の負担が大幅には変わらないという点や、毎月の給与から自動的に保険料が納められているという点も、メリットと言えるだろう。
反対にデメリットも紹介していく。
社会保険は、先に紹介したように健康保険だけでなく、厚生年金なども含まれているため、それぞれの保険料が値上がりした場合、社会保険料が高くなり負担が増えてしまうという点があげられる。
毎月、給与から天引きという形で支払われるため、手取りが大きく減ってしまうとも言えるだろう。
社会保険は会社と折半して加入する保険であるため、退職代行サービスを利用して退職する場合は社会保険がなくなるため、注意が必要だ（有給休暇を消化する等で退職日が先になる場合は退職日までの加入が可能である）。
退職代行サービスを利用して会社を辞める場合はいつが退職日になるのか、次の健康保険がどちらになるのかを把握しておく必要がある。
国民健康保険のメリット・デメリット
国民健康保険とは、主に自営業の方やフリーター、会社で社会保険に加入していない方が加入する保険である。
退職代行サービスを利用し、退職をした後、転職先への入社まで期間がある場合はこの国民健康保険へ加入する必要がある。
また、国民健康保険は社会保険とは異なり、年金などは含まれず、健康保険のみが対象となっている。
国民健康保険のメリットは何だろうか。
社会保険とは違い、自身の収入に応じて保険料が安くなることがあるという点が1番のメリットと言えるだろう。
また、社会保険は、申請をしてから受け取るまでに数週間かかるが、国民健康保険は、地域にもよるが、基本的には申請当日に受け取れ、当日から利用できるという点もメリットと言えるだろう。
もちろん、退職代行サービス利用者も例外なく申請当日に受け取ることが可能だ。
反対にデメリットも紹介していく。
社会保険とは異なり、扶養の人数が増えるごとに、保険料も増え続けていくという点が1番のデメリットと言えるだろう。
また、給与からの天引きではないため、支払いを忘れるというリスクも生まれてしまう。
万が一、支払いが遅れてしまうと、延滞金等が発生してしまう。
さらに、
会社を辞めてから14日以内の手続きが必要となり、手続きが遅れたとしても会社を辞めた翌日から保険料は発生してしまう。
これは、退職代行サービスを利用して会社を辞める場合も例外ではないため、注意が必要だ。
切り替えに必要な手続きについて
会社を辞める時や新しい会社へ就職する際、社会保険から国民健康保険に切り替えたり、国民健康保険から社会保険に切り替える必要があるため、ここでは切り替えに必要な手続きについて説明していく。
退職代行サービスを利用して会社を辞める場合にも、ここで紹介する手続きは必要となるためぜひ覚えておいてもらいたい。
社会保険から国民健康保険に切り替えるための手続きは、住んでいる地域の役場にて行なう必要がある。
その際、必要な書類は以下の3点になる。
・退職時に会社からもらう資格喪失証明書
・世帯主と保険切り替えをする本人のマイナンバー通知カードか個人番号カード
・印鑑
この3点を持って役場に行くことで、申請が可能となる（市町村区によって必要な物が異なる場合があるため事前に役場へ確認する必要がある。）
また、自治体によっては郵送でも申請が可能である。
郵送の場合は、役場か役場のHPにて書類を入手し、記入後送付するだけでよい。
代理人申請は、同一世帯であれば誰でも可能であり、同一世帯以外でも委任状等があれば、可能となっている。
退職代行サービスを利用して会社を辞める場合は、資格喪失証明書の発行を忘れずに依頼しておくことが重要である。
国民健康保険から社会保険に切り替える際の手続きの必要書類は、以下の7点になる。
・就職した会社の社会保険証または社会保険の資格取得証明書
・扶養家族分の社会保険証と社会保険書類
・本人の国民健康保険証
・扶養家族分の国民健康保険証
・本人確認ができるもの（運転免許証など）
・マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード
・印鑑
以上となる。
この切り替え手続きも、自身の住む役場や郵送にて行なうことが可能。
また、同世帯の家族や委任状を持った代理人でも手続きを行なうことができる。
社会保険は加入手続きを行なってから資格取得証明書を得られるまで数日かかることもあり、手続きから保険証を受け取るまでにさらに数日かかることもあるため、書類が揃ったら早めに手続きを行なうと良いだろう。
退職代行サービスを利用した際には、国民健康保険への切り替えに必要な書類が郵送で届くことが多いため、書類が揃い次第すぐに手続きすることをおすすめする。
まとめ
今回は、社会保険と国民健康保険はそれぞれどのようなものか、違いは何かを紹介してきた。
またそれぞれの健康保険への切り替え方と注意点について説明した。
紹介したように、日本は国民皆保険制度があるため、必ず何らかの保険には入る必要がある。
会社員は基本的には社会保険に加入するが、退職をした際には国民健康保険に切り替える手続きが必要になる。
この切り替え手続きは、退職代行サービスを利用した場合にも、自身で行うことになるため、注意が必要だ。
また退職代行サービスを実施してもらう際には必要な書類を事前に伝えておくことが重要である。切り替えをスムーズに行うためにも、参考にしてほしい。
