退職代行サービスがマスコミ等に取り上げられ評判となったことで、しだいに多くの人が退職代行サービスの存在を知るようになり、利用を考えるようになってきている。そうしたニーズをチャンスととらえて、退職代行サービスを始める業者も急に増加した。
そうした新しい退職代行サービスの業界の中で、長く事業を行っているのが退職代行ニコイチと退職代行SARABAだ。
これまでに両社の退職代行サービスを利用した依頼者も数多くいるため、ランキングサイトでの口コミや評判も多数掲載されている。こうしたランキングサイトの口コミや評判などを含めて両社のサービスを比較してみていくことにしよう。最後まで読んで、退職代行サービス利用の参考にしてもらえれば幸いだ。
①口コミ・評判・体験談の数
両社とも老舗の退職代行サービス業者ということで、ランキングサイトの口コミや評判についての書き込みは数多く見られた。
内容としては、両社ともに口コミや評判の数が多かったので安心して利用できた、退職代行の実績があり問題なく退職できたという好評な声と、思っていたのと違った、他の人の口コミや評判にも書いていた通り機械的な対応で冷たく感じたという不満の声が半々といったところであった。
ランキングサイトの口コミや評判の件数の比較では、両社に大きな違いはなく、勝敗なしのドローとなった。
△ニコイチ 10P vs △SARABA 10P
②価格（税込）
退職代行サービスの業者が増えたことで価格競争となり、退職代行サービスの価格は徐々に下がってきている。退職代行サービスの価格の相場としては、3万円程度となっている。
両社の価格を比較すると、2021年4月時点でニコイチが2万7000円、SARABAが2万5000円となっている。両社とも追加料金なしのコミコミ価格なので、かなりお得な料金設定という評判や口コミがランキングサイトにはあるが、SARABAのほうが若干安いため、こちらに軍配が上がった。
③口コミランキングの順位
依頼を考えている人はランキングサイトの順位や口コミ・評判の内容を見て、どの退職代行サービスに依頼するかを検討することが多い。ランキングサイトでは、口コミ・評判の件数と口コミ・評判の内容、依頼した人の満足度などを含めて多数の項目から総合的に評価し順位を設定している。
両社の口コミランキングの順位を比較すると、2021年4月22日現在、ニコイチが10位、SARABAが31位と大きく差がつく結果であった。
口コミや評判の「数」に関しては両社に大きな差はないが、利用者の評価点に差がでたことで両者の順位が離れた結果となっている。実際に退職代行サービスを利用した人の満足度に差が出たとみて良いだろう。
④対応時間
退職代行サービスに依頼を考えるような人の多くは、職場での悩みを抱えて追い込まれている。時間帯に限らわずいろいろ相談して話を聞きたいと思っていても、人によっては夜遅くならないと時間が取れないというケースは少なくないだろう。退職代行サービスの中には、24時間対応をうたっていて、こうしたニーズに応えるところも出てきている。
両社の対応時間を見ると、SARABAでは24時間対応をうたっているが、ニコイチは対応時間7:00～23:30となっている。ただし、ニコイチでもLINEは24時間受け付けているので、大きく差があるわけではない。
⑤丁寧さ
退職代行サービスを利用する際は、実際に面談することはほとんどなく電話やメール、LINE等を使ったコミュニケーションになる。その対応について対応が親身であるか、回答のスピードが早いのか、回答内容が丁寧であるか、といったことの評判が気になるところだ。
ランキングサイトで両社の口コミや評判を見ると、丁寧さに関しては両社ともほとんど変わらない感じであった。ランキングサイトでは、満足したという口コミや評判がある一方で、対応が事務的であるとか、入金後の返信が遅くなるという声が両社ともに見受けられた。
⑥営業年数
退職代行サービスはここ数年マスコミ等で話題になって、参入する企業が急に増えた。そのため営業年数が短く、サービスが不十分であるところも少なくないようだ。
両社の営業年数をチェックしてみると、ニコイチは2021年で創業16年ということで、この業界としてはかなり長い営業年数となっている。その分のノウハウを蓄積してサービス内容に反映させている。
SARABAの営業のスタート時期がいつだったのかは、こちらが調べた限りでは判明しなかった。
⑦組織(労働組合or民間)
退職代行サービスを提供している組織は、一般企業、労働組合、法律事務所の3つに分類される。このうち、法律事務所は依頼者に代わって会社側と交渉したり手続きを代行したりする法的な権限があり、万が一、会社と揉めて訴訟になっても対応することが可能だ。労働組合も、組合員のために会社と交渉することが法律的に認められている。
退職代行を行っている一般企業には、法律事務所や労働組合のような会社と交渉する権限はなく、基本的には依頼者の代行として退職の意思を伝えることのみとなる。
両社の組織を見ると、SARABAは、株式会社スムリエという会社が経営しているが、退職代行SARABAユニオンという労働組合がサービスを運営している。依頼者がこの労働組合に加入することで、会社側と交渉が可能となる。
両社を比較すると、会社側と交渉できる労働組合の強みがあるSARABAに対して、退職の意思を伝える代行ができるのみのニコイチということで、この勝負はSARABAの勝利となった。
⑧JRAA認定
退職代行サービスにおける『消費者保護』と『業界活性化』を主な目的として活動しているのがJRAA（正式名称：一般社団法人 日本退職代行協会）である。この協会には、2021年4月現在、特級認定会員（正会員）が2社、準会員が1社、賛助会員法人5社・個人15名が認定されている。
この組織の認定を受けるためには、多くの項目で一定の条件をクリアしている必要があるので、会員になることはひとつの信用のしるしという評判や口コミをランキングサイト等で得ることができる。
ニコイチ、SARABAの両社ともにJRAAの認定を受けていないためドローとなった。
⑨サポート体制
退職代行サービスに退職代行を依頼して会社を辞めることができたとしても、それで全ての依頼者がすぐに次の仕事をスタートできるわけではない。退職後の書類のやりとりや、場合によっては次の仕事を退職してから探すこともあるだろう。
そうしたサポート体制について、両社の状況を見てみよう。
ニコイチでは、アフターフォローとして退職に関する書類で不明な点があれば、退職代行サービスの依頼後2か月間は無制限で相談できる。また有給消化サポートも基本サービスの中に含まれている。
SARABAでは、人材紹介会社と提携し、無料で転職サービスを行っている。ランキングサイトの口コミや評判にもあったが、依頼者の中には、退職したいということで頭がいっぱいになっていて、退職後の仕事をどうするかまで考えられてないケースもあるので、こうした制度は役に立つだろう。
⑩便利さ（支払方法の多さ）
退職代行サービスを利用するのには支払いが便利であるというのは大切なポイントだ。できれば手軽に支払いを済ませて、すぐにサービスを受けたい人にとって、銀行振り込みだけだと時間と手間がかかるので煩わしく感じるからだ。各社とも料金の支払い方法にはいくつもの決済方法を取り入れている。
ニコイチでは、銀行振り込みの他、各種クレジットカード（DC、VISA、JCB、ダイナース、アメックス、ディスカバー）、電子マネー（アップルPay、GooglePay、Paypay）の利用が可能となっており支払い方法が豊富で非常に便利とランキングサイトでの評判だ。
SARABAでは、銀行振り込みのほか各種クレジットカード（DC、VISA、JCB、アメックス、ディスカバー、ユニオンペイ）に対応している。
電子マネーで支払いをしてポイントを貯めたいという人もいるので、ニコイチが電子マネーを受け付けているのはありがたいところだ。
最終結果
ニコイチとSARABAの両社を比較した今回は、ドローという結果になった。
両社ともに長く退職代行サービスを提供している老舗企業であり、リーズナブルな価格で利用できるということもあって依頼者も多い。
退職代行サービスの利用を検討している人は、両社のホームページやランキングサイトの口コミ、評判などを参考にしてみるといいだろう。
今後は、両社ともさらに利用者の幅を広げ、さらに良質のサービスを提供していくことと期待できる。
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