退職代行された!噂の退職代行業者を使われた会社側の対応と注意点

退職代行された!噂の退職代行業者を使われた会社側の対応と注意点

退職代行業者を使って退職された場合、会社側はどのように対応すれば良いのか。
本記事では、退職代行業者を使って退職されたときの対応手順や退職代行業者の種類、絶対NGな対応例と退職代行業者を使われた理由について解説していく。

退職代行業者を使って退職された際もスムーズな対応ができるよう、人事担当者はぜひ読んでみてほしい。

退職代行業者を使って連絡された!対応手順とポイント

企業側の対応方法、退職代行から連絡がきたらどうするべきか_まとめ

退職代行サービス事業者から社員が退職を希望している旨の連絡が来た場合、基本的に会社側が拒否することはできない。退職者には職業選択の自由が法律で認められているため、同時に退職の自由も認められていることになるのだ。

その前提を踏まえた上で、会社側が退職代行サービスから連絡を受けた際にはどのように対応すればよいのかを下記で紹介していく。対応方法を知っていれば冷静に対処することができ、トラブルに発展することもなくなるため、ぜひ参考にしてみてほしい。

①退職代行サービス業者の身元確認

まずは、退職代行サービスが実在するかどうかを確認すべきである。この工程を省くと、退職代行サービスと偽って他の社員が嫌がらせとして連絡をしてきた可能性もあり、その場合、退職を希望していない社員の手続きを気付かずに行ってしまいトラブルになることもある。公式ホームページがあるかどうかも併せて確認すればベストだ。

②退職者の本人確認

次に、①と同様にトラブルを避ける意味で退職者の名前や部署など本人確認を行う。退職代行業者を使用された時点で退職者は会社側と直接連絡を取ることを避けることを目的にしているため、本人確認についても退職代行業者を通して行うことになる。退職代行業者を無視して強引に退職者と直接連絡をしないように注意が必要だ。

③退職者の雇用形態の確認

退職手続きを進める上で、会社側で退職者の雇用形態を確認するという工程は必須である。雇用形態が違えば提出してもらう書類も違う可能性があるため、適切な手続きを円滑に行う意味で本人確認の時点で併せて確認しておくことをおすすめする。

④退職届の提出依頼

ほとんどの場合、退職手続きでは退職届が必要となるだろう。指定のフォーマットがある場合には、退職代行業者から連絡を受けた時点で会社側から送付する必要がある。特に指定の退職届がない場合には、一般的な書式の退職届の提出を依頼して到着を待ち、到着したら記載漏れや押印し忘れている箇所などがないか確認する。

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⑤貸与品の返却依頼

PCや社用携帯など、入社時に会社側から貸与しているものがある場合には、それらをすべて返却してもらうよう依頼する。このとき、PCなどは壊れていないか、正常に起動するかなどもチェックしておくと良いだろう。
また、退職書類も含めてだが、貸与品の返却や会社に残された退職者の私物などのやりとりはすべて郵送で行う必要があるため、到着まで多少時間がかかる点にはあらかじめ注意が必要だ。

⑥退職届の受理

事前に会社側から依頼しておいた退職届が到着したら、退職届を受理して会社側で必要な手続きを進める。もし退職者から発行を依頼された書類があるのであれば、それらも早い段階で申請などを行っておくべきである。

また、退職代行サービスの一連の流れや退職者から見たメリット、デメリットについては下記の記事で紹介しているため、退職代行サービスについて深く理解しておきたい場合には参考にしてほしい。

◆初めて会社を辞める人におすすめ!退職代行サービスご利用ガイド

退職代行業者の種類とは?

退職代行業者を使って退職された際の対応手順については、上記で紹介した通りである。ただし注意が必要なのは、退職代行業者には3種類あり、どこが運営している退職代行業者かによって対応できる範囲が異なっている点だ。
中には悪質な退職代行業者も存在しており、対応範囲を超えて非弁行為を行う業者もいるため、トラブルに巻き込まれないよう会社側もあらかじめ退職代行業者の種類について把握しておくと安心だ。

非弁行為に関する詳細は下記の記事でも紹介している。

◆退職代行は違法じゃない!非弁行為の事例やトラブルを避けるための対処法も解説

・運営元が労働組合
労働組合が運営元になっている退職代行業者は、退職意思を伝えることはもちろん、団体交渉権を持つため有給消化や未払いの残業代などに関する交渉も可能である。退職者から要望があった際には退職代行業者から連絡があるため、会社側で有給が何日残っているのかを確認するなど必要な対応を行うべきである。
・運営元が弁護士
弁護士運営の退職代行サービスの場合は、退職意思の伝達から法的な対応まですべてを行うことができる。そのため、弁護士運営の退職代行サービスから連絡があった場合には、退職者が訴訟や損害賠償請求などの対応を考えている可能性もある。
・運営元が一般企業
一般企業が運営元になっている場合の対応範囲は、退職意思を伝えることに限られている。そのため、一般企業が運営している退職代行サービスが会社側に対してなんらかの交渉することや法的な対応を行うことは非弁行為となるため交渉などはできない。

ここまで3種類の退職代行サービスについて紹介してきたが、実際にどのような退職代行業者が存在しているのかを知っておくと具体的にイメージが膨らむことだろう。下記のランキングサイトではあらゆる退職代行業者についての情報が掲載されているため、確認してみると良いだろう。

こんな態度はNG!絶対にやってはいけない対応例

上記では退職代行業者の種類について紹介してきたが、ここからは、退職代行サービスを使って退職された際に会社側がすべきではない対応例について解説する。
突然退職されたことで感情が高ぶってしまうことがあるかもしれないが、会社側がこのような対応をすると、企業価値が下がってしまうなどリスクを背負う可能性があるため注意してほしい。

直接会わなければ退職を認めないと引き止める

そもそも労働者には退職の自由が法律で認められているため、会社側が強引に引き止めを行うことは違法と判断される可能性がある。また、退職したいと強く決意している退職者を会社側が引き止めて呼び戻したとしても、仕事に対するモチベーションが高まることは考えにくい。退職代行サービスを利用して退職するということは、もう職場にいる気はないという強い意思表示でもあるのだ。

懲戒解雇処分にするなどと脅す

退職者を脅す行為も、会社側が絶対にやってはいけない対応の1つだ。
まず、退職代行サービスを利用したことを理由に懲戒解雇処分にすることはできないことはもちろんだが、「退職に際してこんな対応をされた」と退職者がSNSや口コミランキングサイトに投稿した場合、会社側に対する社会的な評価が大きく下がってしまう可能性もある。

有給消化させない

退職代行サービスを利用された場合であっても、会社側は有給消化を拒否することはできない。そのため、退職代行業者から有給消化に関する要望があった場合には、有給休暇が何日残っているのかを確認した上で、退職日を設定する必要があるのだ。

退職代行業者を使って退職された理由とは?

引継ぎをしなくても懲戒解雇にならないのはなぜ?

ここまでは、退職代行業者を利用して退職に関して連絡された際の対応手順や会社側が把握しておくべき退職代行業者の種類、やってはいけない会社側の対応をそれぞれ紹介してきた。
ここからは、なぜ退職者に退職代行業者を使って連絡されたのか、その理由として考えられるものを解説していく。退職者の性格的に言いにくかったことも十分に考えられるが、会社側に原因があって退職代行サービスを利用された可能性も否めないため、社内の体質や職場環境を改善するためにも、ぜひ参考にしてみてほしい。

①上司との関係性に不安があるから

退職者に退職代行サービスを使われた理由の1つとして、本来であれば退職意思を最初に伝えるべき上司との関係性が良くなかった可能性が挙げられる。「退職したいと伝えることで圧力をかけられるのでは」「退職日までに嫌がらせをされるかもしれない」など、上司との関係性に懸念があることは大きな不安要素となるのだ。それらの理由によって退職代行サービスを利用されたことも十分考えられるため、一定以上の役職者にはパワハラ講習会を開くなど、会社としての配慮が必要になるだろう。

②未払いの残業代なども請求したいから

本来払われるべき残業代や給料などが未払いになっている場合、それらを確実に受け取るために退職代行サービスを利用された可能性もある。退職者の中には退職意思を伝えること自体ハードルが高いと考える人も多いため、「そのうえで金銭も請求するのは気が引ける」というのも頷ける。退職代行サービスを使われないためには、残業代や給料の支払いを滞りなく行うことは当然のこととして、退職意思を伝えやすい社内環境を整えることが大切である。

③過去に何度も引き止められたから

すでに何度も退職意思を伝えているのに引き止められたという場合、最終手段として退職代行サービスを利用した可能性が高い。「退職者の能力が高く手放したくない」「人材不足で後任がいない」など会社によって引き止めてしまった理由はさまざま考えられるが、退職したいという人を引き止めてもモチベーションが回復する可能性は低い。会社側としても強引な引き止めを続けた場合には違法行為に当てはまる可能性もあるため、退職意思が固まっている人を引き止めるのではなく、今いる社員や新入社員が離れないような社内環境を整えることに目を向けるべきだろう。

(まとめ):退職代行を使われたとしても、冷静かつすみやかに退職手続きを進めるべき

本記事では、退職代行サービスを利用された場合の対応手順や退職代行業者の種類、会社側がやってはいけないNG対応、退職代行業者を使用された理由について解説してきた。

退職代行業者を使って退職された場合、はじめは担当者としても混乱してしまうかもしれないが、第三者を挟むことによって会社側と退職者のどちらも感情的になることなく、冷静に対応できるというメリットもある。退職者としても、最終手段として勇気を出して決断した結果であるため、「懲戒解雇する」「有給消化はさせない」などの対応は避けて、スムーズに退職手続きを進めるべきだろう。

今回解説した内容を事前知識として持っておけば、退職代行業者を介して退職について連絡されたとしても落ち着いて対応することができるはずだ。

 

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